うつ病とは?
うつ病とは、過剰なストレスを一定期間、受け続ける事で今まで正常に機能していた脳が耐え切れず本来の状態を維持する事が出来なくなった状態です。
その結果、精神的なエネルギーが低下し健康な時の精神状態を維持できなくなった状態です。主に気分の落ち込みが強く、2週間以上回復がみられない場合には、うつ病を発症した状態です。
このように気分の回復がみられない場合には、速やかに治療を開始する事が必要です。治療に早く取り掛かるほど回復の見込みも高いために、うつ病に対する偏見などをもたず、ためらわずに受診する事が重要です。
うつ病を発症するような原因はどのような要因があるのか、発症した場合の精神的な症状や身体的な症状、発症した場合の治療法などのついてご説明をさせて頂きます。
うつ病の精神的症状
うつ病でいちばん症状としてハッキリと現れるのが精神的な落ち込みです。正常な状態であれば一定期間で通常時の精神状態に戻りますが、うつ病の場合には2週間以上正常な状態に戻らない状態が続きます。
うつ病を発症した場合には沈んだ気持ちが、回復する事なく寂しさや悲しさ、不安感、絶望感や生きている事に対する虚しさ、などを感じるようになり酷い状態になると自殺願望を持つようにまでなる事があります。
もし家族の方やパートナーの方が、このサイトをご覧になっている場合には、患者さんとの接し方により治療の効果の現れ方が違ってきますので、うつ病に対しての理解を深めた上で接する事が重要です。
うつ病は、ただの「なまけ病」だなんて思う事は大変危険で、病気になってみないと絶対に理解出来ないほど強い精神的な絶望感や不安感を感じている事を認識しましょう。
参考:家族が注意しなければならないうつ病患者の自殺
うつ病を発症した時の精神的症状
- 気分が落ち込んでいる
- 不安感が強い
- 絶望感がある
- むなしい
- 喜びを感じられない
- 気持ちが重苦しい
- 何にもやりたくない
- 憂うつ
- 気が滅入る
- 将来が不安
- 自然と涙が出てくる
- 感情が失われた感じ
- 音楽を聞きたくない
- 外に出たくない
- 人と接したくない
- 泣きたくても涙が出ない
うつ病の身体的症状
うつ病を発症した場合に現れる症状では、うつ病を発症する前から以下のような症状を若干もっている場合があり更に状態が強く感じられるというのが一般的です。
以下のような症状は人により大きく違っていますが、共通して現れる症状として、食欲不振、眠れない若しくは眠りすぎ、強い倦怠感、頭が働かず判断に時間がかかってしまい、行動出来ないなどがあります。
うつ病を発症した時の身体的症状
- 呼吸が苦しい
- 呼吸が浅く感じる
- 息苦しい
- 頭痛がする
- 眩暈
- 吐き気
- 食欲不振
- 眠れない
- 目が疲れる
- 耳鳴りがする
- 耳の閉塞感がある
- 頭が疲れる
- 集中力がなくなる
- 思考力が低下
- 記憶力の低下
- 判断力の低下
うつ病の種類
うつ病は大きく分けて、単極型のうつ病と双極型のうつ病の2つの種類があります。単極型のうつ病は抑うつ状態だけが顕われる場合を言います。
抑うつ状態と激しい躁状態があるものを「双極Ⅰ型障害」、抑うつ状態と軽い躁状態があるものを「双極Ⅱ型障害」と呼びます。
- 単極型うつ病
抑うつ状態のみが顕われる
- 双極I型障害 (躁うつ病)
抑うつ状態と激しい躁状態が繰り返しあらわれる
- 双極Ⅱ型障害 (躁うつ病)
抑うつ状態と軽い躁状態が繰り返しあらわれる
うつ病の原因
うつ病の原因を知る上で、うつ病の治療法の基本が薬物療法である事に注目すると、その原因が見えてきます。うつ病は心の風邪だと言われていますが、明らかに脳内の神経伝達物質が減少しています。
現在、神経伝達物質は100種類以上も存在するといわれていますが、そのうち約60種類が発見されています。なかでも、うつ病の治療ではセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンという3種類が重要視されています。
「うつ病の原因は、脳内のセロトニンの不足で、脳内の神経と神経の間のシナプスで、セロトニンやノルアドレナリンが不足することでうつ病になる」 という「モノアミン説」というのがこれまで有力な説とされてきました。
しかし、この説もあくまでも仮説であるために最近では、これ以外の説も出てきています。
何れにしても、うつ病の患者さんの気分の落ち込みや、不安感、絶望感などは、「脳の中で起こっている」という事に注目する必要があると当院では思っています。
いろんな説の中でさまざまな違いがありますが、その説で言われている事に共通するのは「脳内の事で起こっている」事です。健全な状態の人と明からな違いがあるという事です。
当院が考えるうつ病の原因
当院では、これまでにうつ病の患者さんや精神疾患をもつ患者さんの身体の状態を診てきました。そしてこれらの患者さんは必ず共通する身体の特徴がある事に注目しました。
それは、血液が脳までに至るために通過する必要がある肩や首筋、後頭部が異常に硬くなっているという事です。このような状態では脳に血液が供給されません。
先ほども挙げました、うつ病の原因と言われる一般的な説の脳内の神経伝達が不足しているという原因に、この脳内の血流不足が原因となっているのは当然なのではないかと考えています。
そして、肩や首筋、後頭部などの筋肉の状態は表面的ではなく身体の深部の深層筋肉に起こっている事で、これらの筋肉が柔軟性を取り戻すに従ってうつ病の状態が改善されてゆくことを観察してきました。
特に首筋や後頭部などの頭部に近い部位の深層筋肉を緩める事により、一気に血流が改善されて脳の内部に行き渡る事により、十分に機能していなかった脳が機能を取り戻し初め、脳内で不足していた脳内の神経伝達物質が正常に分泌されると考えています。
一般的に言われている脳内伝達物質の量の減少は、当院では脳の血流障害だとし、脳の血流障害の原因が深層筋肉の硬直という風に見ています。
従って、うつ病の原因を取り除くという事を当院では、深層筋肉を緩める事になります。事実深層筋肉が緩む事で脳に血液が満たされる事で脳内が充実感を感じると共に気分が正常な状態を取り戻してゆきます。
参考:当院のうつ病の改善方法は薬物依存しない副作用のない療法です。
実は、当院では現在ではうつ病やパニック障害、自律神経失調などの整体を行っていますが、こういった精神疾患の症状を診るようになったのは、うつ病の原因を偶然、ある体験により瞬時に理解する事になったからです。
参考:うつ病の原因を知る事になった10年前に起こったある体験談
うつ病を発症する要因
うつ病の病理的な原因には脳の神経伝達物質の減少などが言われておりますが、そのような脳の状態になるのはストレスが要因です。ストレスと言っても、さまざまな種類のストレスがあります。その種類別にみて行きたいと思います。
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適応障害
環境や状況の変化について行けずに抑うつ状態や不安感を抱き、学生であれば不登校、サラリーパーソンであれば怠業などの症状を引き起こす心理的な障害です。
健康な人であれば状況の変化に対応できるように自らを対応させようとしますが、上手く適応させる事が出来ない場合には、抑うつ状態、不安感、焦燥感、苛立ちといったストレスを感じるようになります。
原因となるものはハッキリしていて適応できない状況が3か月続くと、症状が現れます。 -
生理的ストレスと物理的ストレス
生理的なストレスでは、喉の渇き、空腹感、睡眠不足、栄養不足、老化、幸い日本であれば多くの場合いは、自分の意思で満たされる場合が殆どですので、わが国においては、うつ病の原因となる可能性は少ないと思います。
物理的なストレスでは室温、騒音、大気汚染、有害物質、薬物などが考えられます。
一般的な、うつ病の治療方法
うつ病の治療では「十分な休養」と「薬物による治療」という2つの柱で進められます。症状が酷い場合には仕事を休職して治療に専念します。一般的には3か月、6か月など3か月毎にようすをみて休職を延期するかどうか医師と話し合い診断書を出してもらいます。
うつ病の治療方法で最もポピュラーなものは精神科や心療内科による薬物療法です。必要に応じてカウンセリングや心理療法が行われます。
抗うつ薬の種類
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三環系抗うつ薬
神経活動を活性化させ落ち込んだ気持ちを引き立てる。効果が表れるのに時間がかかる。副作用が出やすい。抗うつ薬の代表的なものとして現在でも一般的に処方されている。 -
四環系抗うつ薬
効果は三環系抗うつ薬よりも穏やかで、三環系抗うつ薬の副作用を減らす事を目的に開発された。三環系と四環系抗うつ薬を複合的に合わせて処方される場合も少なくない。 -
SSRI
セロトニンの再取り込みを阻害します。三環系は複数の神経伝達物質に作用するが、SSRIはセロトニンにのみ作用する。 -
SNRI
セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。2つの神経伝達物質に作用して、セロトニン量を増加させる。
カウンセリング
カウンセリングは主治医が行う場合もあるが、一般的には臨床心理士による専門のカウンセラーが行います。
カウンセリングを受ける事により、これまで問題の本質が見えなかったり解決不可能と自分で思い込んでいたりした問題が、実はコントロール可能だと気づいたりして心の重荷が軽く感じられたりする場合があります。
カウンセリングで効果を得るためには、患者さんがしっかりと問題と向き合う事が大切になります。カウンセラーはあくまでもサポート役になりますが、患者さんがどれだけ問題に向き合うかにより効果が大きく左右されます。
心理療法
- 支持的精神療法
- 認知療法
- 対人関係療法
- 森田療法
薬物以外の治療方法
人によっては薬物に抵抗があったり、効果が全くない若しくは副作用が強くて耐えられない場合などがあります。そういった場合には無理に薬物療法を行う必要はありません。
うつ病にはさまざまな治療法があります。
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電気痙攣療法
側頭部に100ボルト前後の電流を通し、痙攣をおこさせる療法。効果は速やかに出て副作用も少ない。日本ではあまり行っている施設は少ないが、自殺願望などが強い場合には行われる。 -
高照度光療法
2000~5000ルクスの明るい蛍光灯を一日に2~3時間を一週間連続で行う。季節性うつ病に効果があるとされています。この療法もあまり一般的ではありませんが他の治療効果が得られない場合に試される。 -
食物療法
脳の働きを改善したりストレスを軽減するために食品をとる療法です。ビタミンB類などは神経を落ち着かせる働きがあります。またビタミン B群は抗うつ薬の効果を高めますので、合わせて服用する事も良い事です。
病院で行われる治療以外の療法
うつ病の治療法は病院で行われてり治療法だけではなく、ありとあらゆる治療法がある事を知っておく事が大切です。一つの療法だけに拘らず、自分にとって合う合わないがありますので自分にとって相性のよい療法を選択する事も大切です。その為にはさまざまな療法があり、どのような効果が期待できるのかを一通り認識しておきましょう。